じにつくす’s blog

単にいろいろ書きます。

玉蹴りの話 グランパスの強さの秘密 ~赤きデュエリストたち~

12節終えて勝ち点24の2位!昨シーズンは勝ち点9のドベだったことを考えると驚きの大躍進だ!今回はその"強さの秘密"に迫ろうと思う!!

というブログを1ヶ月前くらいから書こうと思ったのだが、しょっぱい試合が続いていて書けなかったためようやく書くことになりました。

川崎フロンターレ戦は非常にわかりやすく強みが出ていたと思いますので。

 

ショートパス主体のサッカーとかポゼッションサッカーとは違うとずっと思っていて、どちらかといえばフィジカルなサッカーのような……?

でもロングボールが多いかと言えば数としては少ないのでロングボール主体と言うのも無理がある………ポゼッションもしている。

しかしいわゆるパスサッカーをしているチームとは明らかに異なるような………でもそれが言語化できず悩んでいました。

そこで面白いデータがありましたので紹介させていただきます。

 

[2019シーズン第1-8節]データで見るJ1全18クラブの傾向&チームスタイルまとめ|Sports Analytics Lab

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J1では他に類を見ない「超オラオラ系」のチームが名古屋です。平均580本以上のパスアテンプトに加えリーグ2位のデュエル勝利数を誇り、平均値ほどのボール奪取力を兼ね備えるのはこのチームだけです。

8節までのデータですがこのサイト様のグランパス評は僕にはすっと落ちてきます。オラオラ系デュエリストである。

普通ボール保持を望むチームはデュエル数を減らし消耗しないようにする傾向にあります。

でもグランパスはデュエル数がその他のボール保持チームとは段違いですね。

これが今季のグランパスの最大の特徴であると僕は考えることにしました。

この春加入した選手、米本や吉田豊の影響とも言えるかもしれません。彼らがいるからこのスタイルを選択しているのか、勝手にそうなっているのか、そこはまだわかりません……

 

  • シミッチというインチキ

そして各方面からやたら絶賛されているシミッチの存在は大きいです。パスとかゲームメイクすごいはそれはさすがに言い過ぎでしょと思うのですが………

身長183センチ!競り合いに強い(ゴールも決めてる)!!左利き!パサーボランチ

となるとJリーグでは反則でした。なるほどみんなが絶賛するのもわかります。

周りのボランチが170センチ台だったりする中ならロングボールにも楽々対応でき味方の落としも拾える、これだけ"強い"ボランチがいればJリーグならばこの順位は納得です。

 

僕は守備戦術がしっかりしているとは思っていません(爆

しきりに強調されるハイラインハイプレスですが、どちらかというとハイラインマンツーマンの側面が強めでしょう。

いわゆるリヴァプールがやるような追い込みの要素ではなく完全に個人で個人を蓋にしにいく個人戦術に近いのでは?

なので、きっちり剥がしてくるチームにはアッサリ剥がされます。マリノスフロンターレ、ルヴァンですが大分あたりにはなぜか相手がピッチど真ん中でフリー!みたいな現象が起こっていました。

最近はCBがドカン!と前に出て対応するようにはなっていますが非常に怪しい………

それでもグランパスが安定している理由は………正直わかりません!!

ただ仮説としては"そこまでクリーンなビルドアップができるチームが少ないから"なんじゃないかなぁと。

アバウトなボールであれば先ほどのデュエル力によって奪うことができます。それがグランパスの守備じゃないかな。

 

これはパスサッカーの定義が人によってバラバラなので意見はわかれますが、グランパスもまたクリーンなビルドアップを行うチームではないからです。

僕はGKからのボール出し、最後尾からのボール出しでスタイルが分かれると思っているのですが、グランパスはドカーンと蹴っ飛ばしてしまうのか、ショートパスを繋ぐのか、結構適当です。

パスサッカーというとパスでもって相手を動かし敵陣に侵入していくイメージなのですが、どちらかというと自分たちが動く個人能力で侵入しています。個人のパス能力も含めてね。

そこで個の力、デュエルの力で試合を制しているのが今のグランパススタイルです。

 

個人戦術のチームなので流れが良くなくなると途端にバラバラになってしまうのが1つの弱点です。

ロングパスなのか、ショートパスなのか、ディフェンスラインの高さは、プレスに行くのか、攻めるのか時間を使うのか、それぞれがバラバラになっていて噛み合わないことが多いです。

特に疲れが出てくる、相手がやり方を変えてくる60分頃によく見られます。川崎戦の失点はまさにこの時間帯です。

失点はレアンドロダミアンが競り勝ったところでしたが、その前にもランゲラクのクリアボールがフリーの中村憲剛に拾われるシーンなど予兆は見られました。

「自分たちの形はないんですよ」と誰かが嬉しそうに語っていましたけど、だいたいこういうデメリットのほうが出ます。

 

もう1つは先ほど紹介した記事の中にある通り、「これだけ消耗の激しいスタイルで夏を乗り切れるか」ということに尽きます。

走行距離こそそれほど多くはないものの確実に消耗しています。シミッチが肩で息をする姿を見てこりゃ危ないと。

ただ昨シーズンの反省も踏まえて開幕スタートダッシュで残留争いから離れたい、というチームの戦略であれば納得できます。

まあ優勝は難しいでしょうけどそこは狙っていないと思うので。

個人戦術なチームなのでコンディションが悪くなるここから先はこれまでのように上手くいかない可能性が高い、という備えがチームにあるかどうか、というところでしょうか。

 

  • サッカーの"見方"について考えてる

川崎フロンターレ名古屋グランパスを見て初めてグランパスの試合が面白いと感じました。

オープンで激しいデュエルの応酬、ぶつかるフィジカル、これぞサッカーの醍醐味!!!

これが率直な感想です。まあ60分くらいからの話ですけどね。

しかし多くの記事や解説で"流麗なパスワーク!最高の試合!"なんて言われています。僕は大いに悩んでいます。いや面白かったけどそーゆー試合だったか?

先ほど書いたようにグランパスが流麗なパスワークで敵陣に侵入したシーンはほとんどないです。なぜそう見えるのか、これが本っっっ当にわかりません。誰か教えて下さい。

実況解説がグランパスは果敢に繋いでいくスタイルって言ってましたけど今シーズン、リスクあるショートパスとかしたことありましたっけ?ショートパスできるのにドカーン!してるのなら結構記憶にある。

確かにフロンターレのほうは少々属人的ではあるもののディフェンスラインから中盤へボールを運ぶことはできていたと思いますが、そこから先はもう酷いの一言

前線のランニングがゴールに真っ直ぐ走るだけでダイアゴナルな動きは皆無、スペースを作る動きなどもはやゼロ、SBがオーバーラップしてきたと思ったら内側に突っ込んでくるだけ。

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ここから水色の選手が揃って真っ直ぐゴールを目指せば……

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そりゃこうなります。なにこれグランパスのゴール前だけピッチが小さくなったの???

これでどうやって得点するの?というわけでレアンドロダミアンが登場して ロングボールからゴールが決まります。

「パスが主体の両チームだがゴールはロングボールから」と意外そうに言う人も多いのですが、こんなスペース作る動き皆無のサッカーでショートパスで地上からゴールが決まるわけないでしょとしか思いません。

もっと疑問なのはこんな酷いサッカーをして満足感を得ているフロンターレの選手たち。自分が応援している側だとしたら絶望しますね。

グランパスのほうはもう少しサイドを使っていました。SBの負担多すぎ問題もありますけど……

でもサイドに追いやられていた結果なのかは不明………というのもそこでのフロンターレの守り方もまあ酷いです。

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どんだけサイドに集まってるの!?フロンターレの守りはだいたいこんな感じでした。

追いやるにしてももうちょっと綺麗にやれるでしょ……いや守れてるのかもしれないけど、どうやって攻めるの?フロンターレのCFはジョーなの?

(ちなみにこの場面は結局グランパスの選手に抜かれています)

レアンドロダミアンが入るまではまあ酷いと思ってずっとこの攻め方守り方に笑ってました。グランパスのがイイ!!と心底思えた。

フロンターレにチャンスがあったかと言えば……それほどなかったでしょう?

だから質の高い試合かといえばやはり首を傾げます。

 

  • サッカースタイルとは

もう1つ気になっていたことは両者似た者同士という見出し。でもパスでボールを運ぶフロンターレとデュエルでボールを運ぶグランパスではやっぱり差を感じてしまう。

全く似てない!!とそこまで逆張りをするつもりはありませんが、結構違いがあるなぁという印象でした。

そして名古屋グランパス湘南ベルマーレの試合では"真逆のスタイル"と形容されていましたが、本当にそうなのか?と思ってたり。

"デュエル"が主体だとするならば両者は似てるとも言えるのでは?

まあこれだとすっごく暴論になっちゃいますけどね。

まだ僕がきちんと言語化できておらずしっくりくる説明できない………

"サッカースタイル"についてはズレを感じることが多いです。